小さい子どもにマスクを着用させるタイミングの目安は?大人が気をつけるべきこと

新型コロナウイルス感染症により、感染対策を行う日々が続いています。以前よりも感染が広がりやすいオミクロン株の流行などで、子どもの感染対策を行うためにマスクの着用が必要であるとの報道が増えてきました。子ども用のマスクも多く販売されていますが、実際に何歳くらいからマスクを着用させれば良いのか親としては悩むところですよね。今回は、子どものマスク着用開始の目安と気を付けることについて解説します。



2歳未満の着用は推奨されず、5歳以下でも着用しなくて良い


子どもにマスク着用をさせるかどうかの一つの判断基準として、「息苦しさなどを感じた場合に自身で着脱できること」があります。厚生労働省は、2歳未満の着用を推奨しておらず、2歳以上でも保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意した上で着用するようにと示しています1)。口や鼻を覆うことになるので、異変を感じた場合に子どもが自分自身で外すことができるかどうかが重要なポイントになります


またWHOも、5歳以下はマスクを着用する必要がなく、6~11歳の子どもについても大人が観察したり指示できる場合や周りの感染状況によって着用するべきか検討する必要があると述べています2)。


子どもの性格や状況によって柔軟な対応を

マスクを正しく着用することは感染症の対策になります。不織布の素材のマスクを口と鼻を覆うように正しく着用する必要があるのですが、子どもにとっては正しい着用が難しい場合も多いでしょう。そのため、大人が正しい着用をサポートする必要があります。 さらに、子どもがマスクを着用するときには気をつけなければならないことがあります。 マスクを着用していることにより、大人も子どもの顔色や呼吸の状態を確認できなくなったり、喉に異物が詰まっていることや嘔吐していることを見逃してしまう場合があります。そのため、厚生労働省も子どもに必ずしもマスクを着用させる必要はないとしています3)。 マスクを着用させているときには、普段よりもよく子どもの様子を観察し、顔色が良いかどうか、喉に詰まらせていたり嘔吐していないかなどを確認しましょう。


ある程度人数が密集している保育所などの屋内で、保育士や保護者が子どもを一人一人しっかりと観察できる場合には、マスクの着用を検討することがよいでしょう。子ども一人一人を常時観察することが難しい場合や、屋外で子ども同士が密になりにくく、息切れなどを伴う運動を行う場合は、マスクを着用させなくてもよいでしょう。

マスクを着用するのが難しい場合は、その他の感染症対策を検討しましょう。子ども同士の密を避けたり、アルコールなどで消毒を行ったり、子どもが遊んでいる環境の換気を行うなどの対応が重要です。

感染症対策として、子どもにマスクを着用させるか否かは、まずは子どもの安全への配慮、そしてその他の感染症対策が可能かということを踏まえて総合的に判断する必要があります。



保護者など子どもの周りにいる大人の感染対策が重要


子どものマスク着用が難しい場合に、その他の感染症対策を行うことは重要ですが、周りの大人も同様に感染症対策を行うことを忘れてはいけません。基本的な感染症対策として、子どもと接する場合はマスクを正しく着用して、アルコール消毒や手洗いを確実に行いましょう。

また、新型コロナウイルスの発症や重症化に効果のあるワクチンの接種が可能な年齢であれば、接種を検討することも良いでしょう。オミクロン株の流行により、ワクチンを2回接種していても感染してしまうケースが増えています。ブースター接種と呼ばれる3回目のワクチン接種を行うことで、新型コロナウイルスの感染や発症、重症化の可能性を減らすことができます。

周りの大人が適切な感染症対策を行うことは、子ども自身の感染対策と同じように、子どもの感染リスクをも減らすことができます。

これまで述べたように、子どもにマスクを無理に着用させる必要はありませんが、大人が一緒にいて安全に着用できる場合は、子どもが好きな色やキャラクターのマスクを一緒に選んだり、フェイスガードやマスクを着用するための便利なツールを検討することも良いでしょう。ゴムの圧迫感やマスクの感覚を嫌がる子どももいる4)ので、その子や状況にあわせて無理のない範囲で正しい感染症対策を行いましょう。