RSウイルスも流行…コロナ感染急増で小児医療に影響

全国で確認された新型コロナの新規感染者数は1万4207人と、4日も過去最多となりました。

東京の新規感染者は4166人と過去最多を更新。先週の同じ曜日と比べても1000人ほど増えました。年代別では、20代が1380人で最多。重症者は3日より3人増え、115人でした。

東京以外でも千葉・埼玉・京都・沖縄など、13の府県で過去最多を更新しました。

広島県熊本県は4日、国にまん延防止等重点措置の適用を要請しました。

政府は、福島・群馬・栃木・茨城・静岡・愛知・滋賀・熊本の8県に、まん延防止措置を拡大する方針を固めました。


感染者の急増で医療現場の負担が重くなるなか、子どもの命と健康を守る、小児医療にも影響が出始めています。

埼玉県久喜市にある小児病院では、一般病床を減らして、10床の新型コロナ病床を確保しました。

土屋小児病院・土屋喬義理事長:「デルタ株が流行してきまして、お子さんに接触する親御さん、保育所・学校で成人から感染してくる。そういう心配が常にあって、決して気が緩められる状況ではない」

埼玉県の新規感染者を年代別に見ると、先月29日までの1週間では、20代から40代までの子育て世代が、66%を占めています。

土屋小児病院・土屋喬義理事長:「親御さんが感染症にかかると、お子さんを見る方がいなくなる。小児科の病院でお預かりして、感染のリスクがなくなるまでいることになる」

土屋小児病院では現在、コロナ病床は満床状態。濃厚接触など感染の疑いがあり、世話をする人がいない子どもも受け入れています。

さらに、感染が拡大しているのは、新型コロナだけではありません。

土屋小児病院・土屋喬義理事長:「7月から急速にRSウイルス感染症、重症な呼吸器障害を伴う風邪が流行し出した。(入院の)60~70%がRSウイルス感染症の患者で、呼吸器障害を伴うから、入院期間が長くなる。新しい入院患者を受け入れるのが難しくなっています」

RSウイルス感染症は、乳幼児に多い病気で、風邪と似ていて、高熱や鼻水などの症状が出ます。

感染拡大の背景には、新型コロナに対する感染対策の緩みがあるのではないかと分析しています。

東京都内の河北総合病院では、子育て世代の入院が増えているといいます。

河北総合病院・杉村洋一院長:「7月は20~30代が中心で、あとはご両親が感染して子どもも一緒に感染して、親子で入院というケースも7月だけで10件以上ありました。子どもだけ、うちに入院とか、ご両親もお父さんは別の病院で、お母さんと子どもがうちの病院とか、色んなケースがありますね」

親が入院し、子どもの世話ができる人がいないといったケースに対して、港区では、子どもを預かる事業を行っています。

港区子ども家庭課長・西川克介さん:「昔であれば、親戚とかが近くにいて、預かったりもできたんでしょうが、今、核家族化が進むなかで、そういうこともできない状況が多いことを踏まえて考えた」

年齢や条件によって、病院やホテルなどでの預かりとなります。希望する場合は、保健所に相談してほしいということです。