RSウイルスの家庭内感染、7日以内に2人目に 東北大調査

乳幼児に肺炎を起こすこともあるRSウイルスの家庭内感染のほとんどが、家族の一人目の感染から7日以内に起きていることが、東北大大学院医学系研究科の押谷仁教授(ウイルス学)らの研究チームの調査で分かった。

 フィリピンで2018年10月~19年1月の流行期間中に感染が確認された42世帯を対象に、定期的に検体を採取して排出ウイルス量の変化を推定し、家庭内での感染時期を解析した。

 その結果、ほとんどの世帯で一人目の感染判明から7日以内に、二人目の家族に感染していたことが分かった。二人目の感染者の約3割は、一人目の症状がまだ現れていない段階で感染したことが推測された。

 研究チームは「一人目の感染が分かった時点で、既に二人目も感染している可能性が高い。地域内で流行している時は、乳幼児への感染に特に気を付けるなどの対策が必要だ」と呼び掛ける。

 RSウイルスは例年、日本では秋から冬にかけて流行するが、今年は全国的に既に増加傾向にある。多くは軽症だが、乳幼児は肺炎など重症化の恐れもある。